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かまどの神様/三上紀子のキッチンにまつわるお話
【第三十八回 かまどの神様エッセイ】 2006/12/15 号

「暦と暮らし−12月その2」
 
こんにちは。レジオンデザインの三上紀子です。
師走も半ばを迎えました。今年の冬は暖冬のためか、なかなか本格的な冬という気分にならないのですが、それでも街に溢れるクリスマスデコレーションを見ると、ついついホワイトクリスマスに憧れる今日この頃です。
さて、今週第2週は住まいにまつわるトピックスをお届けします。今週のテーマは「住まいとキッチン」。先日、講演のお仕事でキッチン空間についてお話する機会をいただきました。私達の毎日の生活には切り離せない空間、台所=キッチン、そのかたちは住まいのかたちの移り変わりと共にずいぶんと変化してきました。それはまさに日本の住まいの歴史そのものです。ここでは大きな2つの変化をご紹介しましょう。

まず一つめは大正時代。日本に立動式の台所のかたちが入ってきたのは実は大正時代でした。大正デモクラシーの中で起こった文化生活運動において、それまで劣悪な労働環境であった台所が見直され、欧米にならって立って作業できる「流し」が取り入れられたことに始まります。実はそれまではお勝手仕事は井戸端での座っての作業だったのです。実際思うと大変な重労働ですね。明治の終わり頃から大正時代にかけて、住まいはそれまでの伝統的な田の字型の日本の典型的民家から中廊下式の近代住宅の間取りへと変化しました。そして、それと共に導入された立動式台所。これによって随分と調理作業時の姿勢への負担が軽減し台所での仕事が楽になりました。現代私たちが使っているシステムキッチンが登場するにはまだまだ先の時代にならないといけませんが、立って台所仕事をする、というこの改革は日本のキッチンにおいて画期的な変化!!といえるでしょう。

さてキッチン空間における次の大きな変化は、昭和20年代後半から30年代、戦後の住宅に登場した「ダイニングキッチン」でしょうか。この時代、都市部に大量に住宅を供給しなければならない戦後の住宅施策において、食寝分離のコンセプトの元に台所と食堂が同じ空間に配置される提案がなされ、その具体的なかたちとして「ダイニングキッチン」が生まれました。それまでは台所と食卓が同じ部屋で行われるという習慣はありませんでした。通常食事は台所の横の茶の間と名付けられた部屋で行われていました。それゆえに単なる作業の場である台所は北側の日の当たらない寒い場所におかれることが多かったのですが、この「ダイニングキッチン」は家族が最も集まる部屋ということで、南側の日当たりの良い場所へ配置されたのです。まさにここが、日本の住まいにおいてキッチンがその位置付けを進化させていくターニングポイントになりました!
その後、キッチンは、オープンキッチンからセミオープンへとかたちを変え、さらに対面キッチンやアイランドキッチンへと変貌をとげ、今や住まいの中心的存在になるまでに成長しました。現在では家の間取りを考える際、まずキッチンをどこに置くかが大きなポイントとなっています。キッチンの場所によって、家事動線をはじめ生活動線や暮らしの形(ライフスタイル)、そしてしいては家族の関係までも変えてしまうキッチンはなかなかあなどれない存在。住まいのコンセプトとまでいわれています。今後キッチンはどのような進化を遂げていくのでしょうか?楽しみですね!
さて来週はいよいよ今年最終回。今年の大きな暮らしのキーワードでもありました、ちょっとLOHASなレシピをご紹介しようと思います。どうぞお楽しみに!! 
 




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