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かまどの神様/三上紀子のキッチンにまつわるお話
【第六十四回 かまどの神様エッセイ】 2007/10/26

「かまどの神様 食育のためのキッチン空間 (10月その2)」
 
こんにちは。レジオンデザインの三上紀子です。先日23日は十三夜でした。
「栗名月」「豆名月」ともいわれる晩秋の名残の名月、今年は天候にも恵まれ本当に美しい月光を見ることができました。秋風も吹いてきて、月が替わればそろそろ炉の季節ですね。

さて先日、山形に旅行した際に地元の方から白麹をわけていただきました。「麹」(こうじ)・・・その昔は、「麹」を扱うことができれば一人前の女性・・といわれたそうですが、毎日の食生活には「麹」欠かせないものだったようです。現代の食生活ではめったにお目にかからなくなり、私も話しには聞いたことがありましたが、手にしたのは初めて。どうやって調理に使えばいいのかわからなかったのですが、添付されていたレシピにそって、まずは甘酒をつくってみることにしました。

実は甘酒は私の大好物、冬になるとよく酒粕を買ってきて甘酒をつくります。でも麹で作るのははじめて。「どんな風味になるのかしら・・」と思いつつ、レシピを読んでみてびっくり。材料はもち米と白麹のみです。そしてその作り方はといえば、まずもち米でおかゆを炊いて、そこに白麹を混ぜてジャーの中で一晩おき次の日煮立てる、というとてもとてもシンプルなもの。 砂糖などは入れません。
「えっ?これだけ?」という感じでちょっと拍子抜け、でもひとまずもち米をといでおかゆを炊いて、そして炊飯器ジャーで保温のまま一晩。(この時、お箸1本分蓋にすき間をあけておくのがポイントだそうです)。次の朝、おそるおそるのぞいてみたら、なんとなく甘酒らしきものが・・。スプーンで一口すくって食べてみると、麹の気品ある香と共に、たしかに甘いお酒の味がします。まさに「甘酒」です。

現代の日常においては、発酵過程を体験することはめったにありません。今回体験した調理の過程は私がこれまで行っていた料理の過程とは全くちがったものでした。材料を切ってそれを炒めたり煮たり焼いたりして調味料で味を調えるという過程ではなくて、材料の本来持っている性質が変化することをじっと待つものでした。今回ははじめての試みということもあり、半信半疑のこころもちで過ぎた時間でしたが、それはとても尊い時間だったのだと思います。 私は昔の人の食に対する思いにふれたような気がして思わず感謝をしていました。

次回のかまどの神さまエッセイは11月第2週にお届けです・・。
では、また。 




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