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  -王東順- 【エフドットコム】 一億円の微笑み






「墨田川」のミススーパーに一晩中続いた抗議電話。
仕事にミスはつきものだが・・



テレビは高視聴率であればあるほど、社会的関心も高くなる。以前TBSで放送された亀田興毅選手のプロボクシング世界戦は、平均視聴率42.4%。判定をめぐって世間が大騒ぎとなった。
私がかつて担当していた「なるほど!ザ・ワールド」も18週連続30%突破という高視聴率記録がある。30%以上になると、たとえば番組内で「これは右」と言うと、次の日、電車の中で、「これは右なんだよ」という会話が実際周りから聞こえてくる。それだけ影響力が大きいわけだ。

ある時、番組中の字幕スーパーで「両国の墨田川」と、川の名前を放送した。時間にしてわずか8秒ぐらい。しかし、放送したとたん局の電話が一斉に鳴った。「間違った字幕を出すとは何事だ!」とお叱りの電話ばかりだ。
そう、東京に墨田区はあっても墨田川はない。正しくは「隅田川」だ。事前に何度もプレビューしていたのに、スタッフは誰一人このミスに気づかなかったのが口惜しい。抗議電話は一晩中続いた。高視聴率になると、小さなミスから大きなトラブルに変化する。

以前NHKの朝の連続ドラマ「さくら」が放送順を間違えて放送してしまった事件があった。新聞でこの記事を見たとき、悲しいかなテレビマンの性、「明日の”さくら”は視聴率がグンと上がるぞ」と周りに予言した。次の日”さくら”は私が予想したとおり、それまでの最高視聴率となった。「一度間違えた放送順を、どのようにするのかな?」視聴者の関心が一斉に高まったという訳だ。

放送中のみならず収録中にもミスやトラブルはつきものだ。以前、私のスタッフが岐阜のある茶室を取材させていただいた時、撮影中に、狭い茶室の中でテレビカメラの後部が壁に触れ、傷をつけてしまった。
実はこの茶室は、ご主人が何年もかけてつくった珍しい貴重な茶室だった。当然先方のご主人はカンカンだ。現場スタッフから電話で、弁償額は相当額になるかもしれないと連絡を受け、私は愕然とした。私は、とるものもとらず、すぐに新幹線に飛び乗り、夜遅く岐阜に到着した。

「東京から謝りに来ました」

傷つけた茶室を拝見させていただき、ご主人の茶室に対する思い入れを聞きながら、このあと、巨額の賠償金を請求されたらどうしようかびくびくしていた。するとご主人はこう言い出した。

「私の大事な茶室を傷つけられて非常に不愉快だったけれど、あなたの誠意は充分わかった。弁償と言われても、これは値段のつけようのないもの。だからお気持ちだけいただいて・・・・」

私はホッと胸をなでおろすとともに、「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。

仕事をやっていく上で、ミスやトラブルはつきもの。起きた時、「どういう対策をとるべきか」なんて議論するより以前に、まずは先に「誠意ある行動」を起こすことの方が大事だということを学んだ。
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代表作として・・・・
「クイズ!ドレミファドン」 ・・・イントロクイズブームを作る
「なるほど!ザ・ワールド」 ・・・最高視聴率36.4%
「クイズ!年の差なんて」
「出たMONO勝負」
「めざましテレビ」 ・・・立ち上げ命名・司会キャスティング
「オールスター大運動会」
「新春かくし芸大会」 など



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